塾の合格実績と偏差値の読み方 ― 受験する子の親へ
塾の数字と説明が判断できない
「必ず伸びます」ではなく「原則として」「多くの場合」と書いてあるものを、そのままの強さで受け取れているか。
延べか実人数か。模試だけ受けた子を含むか。「誰を数えた数字か」で、まるで違うものになります。
評価軸を先に決めていないので、学校を並べるたびに基準が動きます。見てから基準を作ると、決まりません。
なぜ対策本で直らないか
子どもではなく、親が読みます。判断するのは親だからです。
この順でやります
- 誰を数えた数字かを見るその合格実績は、誰を数えた数字か
- 平均だけで語らない偏差値は、母集団が違えば別の数字
- 書いてある強さのまま受け取る「必ず伸びます」ではなく「原則として」
- 先に評価軸を決める塾を見てから、選ぶ軸を作らない
- 選択肢が出そろっているか見る選択肢が出そろっているか
使うのは 読む・聞くの1つ、数えるの2つ、決めるの2つ。考える・伝える・学ぶ には、この目的では触れません。
ここで扱わないもの
子ども向けの問題は扱いません。5〜6歳に「必要条件と十分条件」は無理で、それは別の商品です。
もう少し詳しく
タップすると開きます。
「もっと調べましょう」が効かないのはなぜか
受験の準備を始めると、説明会に足を運びましょう、資料を取り寄せましょう、と言われます。どれも間違ってはいませんが、これは量の話です。同じ受け取り方のまま3か所を回れば、同じ受け取り方をした判断材料が3つ増えます。
パンフレットの「合格実績120名」が延べの人数なのか実際の人数なのか、模試だけ受けた子を含むのかは、何度読み返しても本文からは出てきません。読む力の差ではなく、その場で聞く項目を持っているかどうかの差です。「誰を数えた数字かを見る」は、知っていればその日から使えますし、知らないままなら何年でも素通りします。
どのくらいで、何が変わるのか
この用途で中心になるのは5つの操作です。1つの操作に15問あるので、合わせて75問。1日5問なら3週間ほど、まとめて解けば2時間ほどで一周します。
変わるのは、パンフレットの数字を見たときに小さい注記を先に探すようになること、説明会で実績の数え方をその場で質問できるようになること、家で話し合うときにどの学校がよいかより先に何を優先するかから話が始まること(「先に評価軸を決める」)です。志望校は決まりません。合格しやすくなることもありません。今まで気にならなかった数字が気になって、迷う時間は増えるかもしれません。
小学校受験では、読む数字そのものが出ません
小学校受験では、合格実績も、母集団のはっきりした模試の数字も、公開されないことが多いです。読み違える以前に、読むものがありません。そこで効くのは「誰を数えた数字かを見る」の裏側の使い方で、本来あるはずの数字が出ていないことに気づくほうです。
「多くのお子さんが伸びます」といった言い方を「書いてある強さのまま受け取る」のも、ここでよく使います。数字が少ないぶん、判断は評価軸の側に寄り、通学時間や家庭の負担を学校を見る前に書き出しておくのが「先に評価軸を決める」、「受験する・しない」の二択のほかに何があるかを見るのが「選択肢が出そろっているか見る」です。小学校受験そのもののやり方は扱わず、子ども向けの問題も置いていません。
同じ読み方が、塾の外でも使えます
ここで扱う5つは、受験のために作った操作ではありません。もともとは仕事や暮らしで数字と説明を受け取るための操作で、それを塾の資料に当てているだけです。だから、受験が終わっても手元に残ります。
「誰を数えた数字かを見る」は求人票の「平均年収」に、「平均だけで語らない」は住宅の相場に、「書いてある強さのまま受け取る」は契約書の「原則として」に、そのまま当たります。ただし、逆の方向には広がりません。塾の数字が読めるようになっても、子どもに勉強を教えられるようになるわけではありませんし、子どもの成績が動くわけでもありません。