SPIの推論で落ちる ― 対策本の、その手前
テストセンターで落ちる
命題の変形をその場で組み立てているので、毎回ゼロから考えることになります。パターンを覚えても、言い回しが変わると崩れます。
率をそのまま足していたり、単位がそろっていなかったりします。計算が遅いのではなく、扱い方が違う。
時間があれば解けるなら、知識は足りています。足りないのは速さではなく確かさで、ひっかけは急いで読むときにしか作動しません。
なぜ対策本で直らないか
参考書はパターンを教えます。パターンを覚えれば、見たことのある問題は解ける。でも本番では初見の言い回しが来ます。そこで効くのは、命題を正しく変形できるかどうかです。
この順でやります
- 「AならB」の逆と裏を見分ける「AならB」の逆と裏
- 「すべて」「一部」と否定を組み合わせる「すべて」「一部」と否定
- 必要と十分を区別する必要と十分
- 割合と数の変化を読む率は、そのままでは足せない
- 単位と桁をそろえる単位と桁
- 平均だけで語らない平均から、その人のことは言えない
- 誰を数えた数字かを見る誰を数えた数字か
- 文と文のつながりを見る文と文のつながり(並べ替え)
使うのは 読む・聞くの1つ、考えるの3つ、数えるの4つ。伝える・決める・学ぶ には、この目的では触れません。
ここで扱わないもの
上がりません。SPIの問題そのものを解かせていないので、点数の話をする材料を持っていません。分かるのは、自分が逆と裏をどう扱っているか、というところまでです。<br>「見直すと解ける」なら、知識は足りています。足りていないのは速さではなく確かさで、ひっかけは急いで読むときにしか作動しません。
もう少し詳しく
タップすると開きます。
「もっと解け」では、なぜ直らないのか
SPIで落ちると、いちばん多く言われるのは「問題数が足りない」です。ですが、間違えた理由が前と同じままなら、同じ形の問題でまた止まります。推論で落ちている人の多くは、ひとつの読み方で、何問もまとめて落ちています。
「理解が浅い」も、何を深めればいいのかを指していません。見直すと解ける人に足りていないのは知識ではなく、急いで読むときにも同じ手順を踏めるかどうかのほうです。ですからここでは、「AならB」の逆と裏を見分ける」、「すべて」「一部」と否定を組み合わせる」、「必要と十分を区別する」 のどれで止まっているかを、名前で呼びます。なお計算の速さは、ここでは扱いません。語彙や熟語も同じ理由です。
転職で受ける人は、実務の勘が逆に働きます
社会人になってから受ける人は、新卒とは条件が2つ違います。ひとつは、まとまった勉強時間が取れないこと。もうひとつが、仕事で身についた読み方が、この場面では逆に働くことです。
職場では「至急」とだけ書かれたメールから中身を補って読むほうが速く進みますが、SPIの推論では、書かれていないことを1つ足した時点で答えが変わります。この足し算を、ここでは「勝手足し」と呼んでいます。やるのは実務の読み方を捨てることではなく、補って読む場面と書いてある通りだけで判断する場面を切り替えられるようにすることで、効くのは 「書いてある強さのまま受け取る」 と 「書かれていない前提を見つける」 のあたりです。
どのくらいやると、何が変わるのか
このサイトは、SPIの点数や通過を約束しません。そもそもSPIの問題そのものを解かせていないので、点数の話をする材料を持っていません。分量の目安だけは、はっきりしています。
1つの操作は易・中・難あわせて15問、10分ほどで、推論の中心になる 「AならB」の逆と裏を見分ける」・「すべて」「一部」と否定を組み合わせる」・「必要と十分を区別する」 の3つなら30分から40分ほどかかります。この時間で分かるのは自分が逆と裏をどう扱っているかで、できていれば「ここは原因ではない」と分かります。同じ間違い方に2度目に落ちたときは、その場で「この間違え方は、2回目です」と出るので、効いていない場合は、効いていないことが見える形にしてあります。
SPIのあとも、同じ読み方を使い続けます
落ちている操作は、SPIのために作られたものではありません。公務員試験を併願する人は、判断推理でそのまま同じ操作を使います。内定後の「月給30万円(みなし残業45時間を含む)」を、45時間ぶんを別にもらえると読むかどうかは 「書いてある強さのまま受け取る」 で、会社の資料の「平均年収」「離職率」を見るのは 「誰を数えた数字かを見る」 です。
ただし、大きく言うつもりはありません。ここで扱っているのは読み方の一部で、仕事ができるようになる、という話ではありません。上がるのは能力ではなく、知らなかった読み方をひとつ受け取った、というだけのことです。